若々しさを保つカギと言われる『テロメア』とは?


私たち人間は年を重ねていくと、お肌にできるシワやタルミなど目に見える老化をはじめ、脳や血管や筋肉など目には見えていないところも老化していきます。

なるべくなら老化はしたくないですが、それは無理な話。でしたら、せめて老化を少しでも遅らせたい。

その老化を遅らせて若さを保つカギが「テロメア」ではないかと言われており、今、世界中の医療の関係者が注目しているそうです。

このテロメアが、若さを保つカギとなるのではないかと突き止めたのは、アメリカの分子生物学者エリザベス・ブラックバーン博士で、この研究はノーベル医学生理学賞を受賞されました。

「テロメア」がどんな働きをしているのか、その研究成果を記した本には、テロメアの事を体の中の靴ひもとたとえて解説されています。

その、体の中の靴ひもとは、どんな役割のことを言い、どうすれは老化を遅らせる事が出来るのでしょうか。

テロメアはどこに存在し、どんな働きをしているのでしょうか?

人間の細胞は全部で約60兆個あると言われています。その細胞が分裂を繰り返し細胞は入れ変わり生きています。

その1つの細胞の中には、46本の細長い染色体があります。テロメアは、その1本の染色体の末端にあるキャップのようなもの。

それを、先ほど紹介したエリザベス・ブラックバーン博士は、靴ひもに例えたのですが、テロメアはヒモの部分ではなく、靴ひもの端の部分にある、ほどけないように紐を束ねているプラスチックの部分の事になります。

私たちが、運動靴を履くときに使っている靴ひもですが、端についているプラスチックの部分を取ってしまうと、まとまった紐がほどけてしまいます。

染色体も同じで、テロメアは染色体を保護し、染色体同士がくっつかないように防ぐ役割をしているそうです。

テロメアが短くなると老化が進む

しかし、私たち人間は絶えず細胞分裂を繰り返し行っています。テロメアも細胞分裂が行われる度に徐々に短くなっていきます。

そして細胞分裂がおよそ数百回行われ、テロメアが無くなるぎりぎりの所まで短くなると「これ以上、細胞を分裂するな!」と、命令が出て分裂が行われなくなります。

すると分裂が行われないので古い細胞がそのまま生き残ることになり、それが老化なんだそうです。

まとめますね。
1:細胞分裂が繰り返し行われる

2:テロメアが減少してぎりぎりまで短くなる

3:すると細胞分裂を行うなと指令が出る

4:細胞分裂が行われなくなるので古い細胞が残り老化が進んでいく。

その結果、私たちのカラダの中で様々な悪い影響を及ぼしてしまうのですね。

エリザベス・ブラックバーン博士のテロメアの研究が発表されてから、医療関係者に注目され、世界各国で研究が行われていて下記のような様々な研究報告がされているそうです。

  • テロメアが短いとガンになるリスクが3~4倍になる。
  • テロメアが短くなる事で動脈硬化が進む
  • テロメアが短いと海馬が委縮して脳機能が低下する
  • テロメアは寿命に大きく関係している

このように、テロメアが短くなると病気になりやすいと考えられるのです。

しかし、当たり前ですが、人間は細胞分裂を起こして生きているのでテロメアは減少してしまうので誰にでも老化は訪れ、老化を止める事はできません。

ですが、同じ年齢でもテロメアの長さが長い人もいれば、短い人もいます。つまり、テロメアが短くなる速度を遅くすることができれば、老化の速度も遅くなると考えられるのだとか。

では、テロメアの減少を遅くする方法を見ていきましょう。

テロメアの減少を遅くする「マインドフルネス」の方法

テロメアの長さの違いが起こるのは、物事の受け止め方の違いなんだそうです。つまり考え方なんです。

会社で失敗した時など、ネガティブに考えてしまう人もいればポジティブに考える人がいます。

詳しいメカニズムはまだ分かっていないそうですが、最近の研究ではネガティブ思考の人は、ポジティブに物事を考える人よりもストレスが多く、そのストレスがテロメアを短くするスピードを速めてしまう事が分かっているそうです。

特に、まだ先の事でなにが起こるか分からない未来の事で強い不安や心配を抱く人は、長期にわたってストレスを感じてしまう為、テロメアを短くしてしまい、長さに悪影響を及ぼしてしまうそうです。

自分にあてはまるという人も多いのではないでしょうか。ですが、物事のとらえ方はそう簡単には変えられませんよね。

そこで、オススメだと言うのが「マインドフルネス」です。アメリカの研究でテロメアが短くなる速度を遅くする効果的な方法だと分かってきたのです。

マインドフルネス=心を満たすと言う意味です。

マインドフルネスを行うことでストレスが軽減し、それによってテロメアを守ってくれるそうです。さらに、テロメアを伸ばすタンパク質が分泌されるのではないかと期待されているそうです。

マインドフルネスのやり方

マインドフルネスの方法は、本当に簡単です!今自分がしている呼吸を聞く事です。

  1. 背筋を伸ばして真っ直ぐに座ります ※床でも大丈夫です。
  2. 目を閉じます。
  3. 手は、楽な位置におきます。
  4. 普段通りに呼吸をするだけです。※深呼吸をする必要はありません。
  5. そして、自分が今している呼吸の音を効きましょう。※音がしなくても、今吸っている、今吐いていると、聞こうとすることで呼吸に意識を集中させます。

タイマーなど使って3分間繰り返します。
これを毎日複数回行うといいそうです。

《2017年8月22日放送『たけしの家庭の医学』の【全身の老化を止める科】寿命を左右する「体内の靴ひも」?世界最先端の研究を徹底取材!で放送された、京都大学 生命科学研究科 教授 石川冬木先生の解説を参考にまとめています。》


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