髪の毛は生えると、成長期、退行期、休止期の3段階の発毛周期によって生えては、抜けるが繰り返されています。ここでは、髪の毛の生えるサイクル発毛周期についてまとめています。
髪の毛が生えるメカニズム
髪の毛は、頭皮内部の皮膚の細胞が分裂を繰り返しています。
頭皮内部の皮膚細胞は、3つの層で形成されています。
- 最も外側位置する表皮細胞
- 表皮細胞の下に位置する真皮細胞
- その真皮細胞の下に位置する皮下細胞
皮膚と同じ3つの層で形成され、真皮細胞が毛乳頭によって作り出される新しい髪の毛の元になる細胞組織になります。
生後6ヶ月頃の段階で髪の毛の成長サイクルによって細胞分裂を繰り返され、頭皮表面の表皮細胞が頭皮内部の真皮細胞へとくぼみだしていき、毛穴が形成されます。
毛穴が形成されると、毛穴内部に髪の毛を包み込んで保護してくれる毛包が作られ、ようやく髪の毛が発毛する準備が整います。
では、どのようにして髪の毛が発毛するか仕組みを見ていきましょう。
頭皮の毛穴の奥にある髪の毛の根元部分を毛根と言いますが、この毛根部分が髪の毛を成長させる核になります。
毛根にはマッチ棒の頭のような丸く膨らんだ部分がありますが、この丸く膨らんだ部分を毛球と言います。この毛球の中には、たくさんの毛母細胞と呼ばれる細胞組織があります。
毛母細胞の中には毛乳頭と呼ばれるものがあり、この毛乳頭が送られてきた栄養素を使って、細胞分裂によって毛母細胞を作り出し、新しい髪の毛の元を作り出すんですね。
そして、栄養素がどこから送られてくるかというと、毛乳頭の周りには、毛細血管と呼ばれる無数の細かい血管があり、この毛細血管が体内に摂取した栄養素を毛根部分の毛乳頭へ送る役割をしています。
髪の毛の主成分はタンパク質で、頭皮内部に流れている毛細血管を通して受け取った、アミノ酸やビタミンなどの栄養素から作られています。
さらに、髪の毛は細胞分裂によって成長していくと、頭皮表面に押し上げられていき、角化という髪の毛が硬い状態になり、黒い髪の毛となって毛穴から発毛するようになっているんですね。
発毛周期のサイクルは3つにわけられる
髪の毛には、発毛周期と呼ばれる成長サイクルというものがあり、この成長サイクルによって、新しい髪の毛が生えてきて、発毛した髪の毛は次第に衰えていき、最終的には抜け落ちてしまうようになっています。
ですから、誰でも毎日ある程度の髪の毛は抜け落ちる仕組みになっていて、古い髪の毛がきちんと抜け落ちないと、次の新しい髪の毛が発毛出来ないんですね。
髪の毛はたくさんあるので、一見すると何の変化も感じられませんが、頭皮では毎日髪の毛の発毛周期が繰り返し行なわれていて、抜けたり生えたりしています。
抜け毛や薄毛の症状が進行している人は、この発毛周期が正常に機能していないということなんですね。
では、発毛周期と呼ばれる髪の毛の成長サイクルが、一体どのような仕組みなのか見ていきましょう。
髪の毛の発毛周期には、3つの成長過程が存在します。
- 1つ目が成長期
- 2つ目が退行期
- 3つ目が休止期と呼ばれる成長過程です。
1つ目の成長期で発毛した髪の毛が成長し、2つ目の退行期では少しずつ髪の毛が衰えていき、休止期では完全に成長が止まり髪の毛が抜け落ちるようになっています。
そして、休止期が終わると次の成長期に向けて新しい髪の毛の準備が始まり、発毛すると、また成長期、退行期、休止期という順番で髪の毛の成長サイクルは、繰り返し行なわれていきます。
それでは、成長期、退行期、休止期について、さらに詳しく見ていきましょう。
発毛周期第一段階の成長期
髪の毛の発毛周期の第一段階が成長期と呼ばれる成長過程です。成長期・退行期・休止期と3つある発毛周期の成長過程のうち、この成長期が髪の毛の発毛に最も重要だといわれています。
成長期という成長過程は、その名の通り新しい髪の毛が成長する段階のことで、日頃不規則な生活や食生活の乱れなど生活習慣が悪化していると、成長サイクルのスピードが速まり、この成長期で髪の毛が成長しきる前に次の退行期に移行するので、髪の毛は根付かずに衰弱し抜け落ちてしまいます。
髪の毛は、頭皮内部の皮膚細胞が細胞分裂を繰り返し、少しずつ毛穴内部を頭皮表面に向かって成長しながら押し上げられていくんですね。成長して毛穴内部を押し上げられてきた髪の毛は、伸び続けると角化と呼ばれる硬い状態の髪の毛に変化していきます。
このように髪の毛が成長する段階の成長期ですが、髪の毛の発毛周期の成長過程のうち、この成長期は約3~6年続きます。男女別で見てみると、男性の成長期は、約3~5年、女性の成長期は、約4~6年続くと言われています。
生活習慣が悪化して発毛周期が正常に機能しなくなってくると、約3~6年の成長期が長くて1年、短いと数ヶ月で終わり十分に髪の毛が成長しなくなるので、髪の毛の発毛周期において、成長期という成長過程はとても重要なんですね。
発毛周期第二段階の退行期
毛母細胞の細胞分裂が活発になり髪の毛が成長する成長過程の成長期が終わると、次に退行期という成長過程に移行するんですね。
この退行期という期間は、次の休止期に向かって髪の毛の成長が少しずつ衰えてくる段階です。なんだか髪の毛が衰えてくると聞くと不安に思うかもしれませんが、この退行期は、誰の頭皮でも必ず訪れる成長過程なので心配はいりません。
実は、この退行期は、3つある発毛周期の成長過程の中では、成長期や休止期に比べて、それほど重要ではないんですね。この退行期では、髪の毛が成長しきって不要になった古い髪の毛が抜け落ちるまでのつなぎ役と思ってもらえればいいでしょう。
成長期が終わり退行期に移行すると皮膚細胞の細胞分裂の活動が少しずつ衰えていき、細胞分裂をしなくなった毛乳頭は次第に硬くなり、これまで受け取っていた栄養素を受け取らなくなるので、髪の毛は衰弱して細くなっていきます。
髪の毛の発毛周期の成長過程のうち、この退行期は約2~3週間続きます。期間が約2~3週間と短い退行期は、発毛周期全体の1%程度で成長期や休止期に比べて重要ではありませんが、この退行期をきちんと経過しないと髪の毛を発毛させることは出来ません。
発毛周期第三段階の休止期
毛母細胞の細胞分裂が活発になり髪の毛が成長する成長期が終わり、退行期に移行すると活発だった毛母細胞の細胞分裂は少しずつ衰えてきて、次第に細胞分裂は止まってしまうんですね。
この毛母細胞の細胞分裂が完全に止まる段階を休止期と言います。そして、休止期では成長が止まった髪の毛は抜け落ちてしまいます。と言うのも、成長期から退行期に移行する段階で毛根には栄養素が送られなくなるので、新しい毛母細胞が止まってしまうと、毛穴が底が上がってきて奥行きがなく浅い状態になるんですね。
毛穴が浅くなってしまい髪の毛を支える力が弱ってくると、髪の毛は毛穴から抜け落ちてしまいます。髪の毛の発毛周期の成長過程のうち、この休止期は約3~6ヶ月くらい続きます。
この休止期に移行して髪の毛の成長が止まり、抜け落ちてしまうと、次の成長期に向けて新しい髪の毛のを発毛させる準備期間に入ります。
しかし、生活習慣の乱れによって発毛周期のスピードが急激に速くなってしまうと、十分に成長しきらない状態で次の退行期に移行してしまうので、衰弱している髪の毛は簡単に抜け落ちてしまい、次の新しい髪の毛は生えてこなくなります。このような状態が、いわゆる抜け毛や薄毛の症状なんですね。
このように、大きく3つの発毛周期の分けて考えられていますが、冒頭でも言いましたが、この髪の毛の発毛周期が不規則な生活や食生活の乱れなどにより、正常に機能しなくなると、抜け毛や薄毛へと進行してしまいます。
ですから、抜け毛や薄毛の症状を改善させるためには、毎日の生活習慣を見直す必要があるんですね。